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創薬支援サービス

PET(positron emission tomography:ポジトロン断層画像装置)は、生体内の複雑な機能が活動している様子を観測できる医療用の画像診断装置として、一般の方々にも認知されて来ています。脳を中心とした複雑な生体機能を解明する手段として、またがんなどの病気の早期発見のために、このPET装置は世界中の研究者・医療関係者から熱い注目を浴びています。しかし、PETの可能性は診断装置の枠内だけにとどまるものではありません。近年、このPETの優れた特性を利用して、医薬品開発のツールとして応用する動きが世界的に盛んになってきています。
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創薬支援 創薬における課題
新薬の開発には莫大な費用と、長い年月が必要です。薬としての有効性とともに、副作用など安全性についても慎重に見極めなければならないからです。こうした創薬に関する課題を解決する有効な評価手法のひとつとして、いまPETに強い関心が寄せられています。

・医薬品開発にかかる時間とコストの削減による医療品の価格高騰の抑制
・医薬品の有効性と安全性の確認


有効な評価手法としてのPET
PETは、ポジトロン(陽電子)を放出するラジオアイソトープ(放射性同位元素)で標識された薬剤を生体内に投与し、その体内分布を検出することにより、生体内の生理学的・生化学的情報を画像化・定量化することのできる装置です。体内を断層撮影する装置としてはX線CTやMRI(核磁気共鳴装置)などがありますが、これらは病変部の形や位置などの形態情報を得るのに対して、PETでは、血液循環や細胞代謝(酸素やエネルギーの消費)、神経活動など、生体内の器官の働いている様子を画像化することができるところに特長があります。

非侵襲性
PETは放出されたγ線を生体の外部から計測するので、実験動物を解剖して臓器を取り出すようなことをする必要がなく、生体を傷つけることがありません。細胞による実験と生体による実験とでは、投与した薬剤に対する反応が異なることがあります。非侵襲的に生体内部の機能を定量画像化できることは、創薬支援におけるPETのすぐれた特長ということができます。

短い半減期
PETで使用されるラジオアイソトープは半減期が非常に短いものが多いため被曝量が少なく、生体にダメージを与えることは少ないものです。従来法で用いられるような半減期が長い物質を使って実験した場合は、同じ条件設定で繰り返し実験を行うことは不可能です。このため従来法では複数の動物で実験を行い、統計的に処理して推測するしかありませんでしたが、動物には個体差があり、同じ状態のものは存在しません。またヒトへの応用は大変困難なものでした。PETにより同じ動物で繰り返し試験を行って比較をしたり、継続して経過を観察できることは、極めて重要な意味を持ちます。PETは従来法による分析と比べ、正確なデータ取得の上で格段のアドバンテージがあるといえます。


創薬支援のためにPETセンターが提供できる設備・技術
浜松ホトニクスPETセンターでは、PETによる創薬を強力にバックアップするのために、多くの設備や技術を有しています。

・高性能PET装置の研究・開発
PETによる研究には高性能なPET装置が不可欠です。浜松ホトニクスでは、長年培ってきた光センサ技術と光計測技術を応用し、世界最高性能を誇る「動物研究用PET装置SHR-7700」を開発しました。2.6mm (FWHM)の高解像度や330mmの広い開口部、任意のチルト角が選べるガントリー、目的に応じた計測モードの選択など、設計の全てに研究者の声を反映して開発されており、PET装置による研究をバックアップしています。



・充実した周辺機器
PETが使用するラジオアイソトープは半減期が短いため、生体にダメージをあたえない点ではよいのですが、外部で作って運んで来ることは困難となります。このため実験施設の近くに、サイクロトロンと呼ばれる小型の加速器が必要になります。これらの設置に多額な費用がかかるのも事実です。浜松ホトニクスPETセンターでは、最新鋭のPET装置やサイクロトロン装置をはじめ、PET計測に必要な周辺機器を備えています。



・高性能プラナーイメージング装置の開発
プラナーイメージング装置は、ラジオアイソトープで標識されたトレーサーを用いて小動物(マウス・ラットなど)を非侵襲で物質の体内における動態イメージを計測します。検出部が小型であるため自由な配置が可能で、広視野・高感度・高分解能・高スループットの特長を持っています。これによりラットの全身像や複数のマウスの計測が可能です。フォーカルイメージとして計測されるため、PETによる断層イメージと比べ、画像化が容易であり、少ない投与量でもS/N比に優れた画像および短時間での動態画像の計測が可能です。



・標識化合物の開発
浜松ホトニクスPETセンターには既知の「標識化合物」の膨大なデータとともに、新たな「標識化合物」見つけるノウハウの蓄積があります。このため高度な有機化学合成・標識化技術を駆使し、正確かつ迅速な処理を行うことが可能です。

・疾患モデル動物の確保
実験に動物を使うことには、心理的な抵抗をおぼえられる方もあろうかと思います。しかし、いきなり人間のからだで実験をすることはあまりにも危険です。創薬のプロセスにおいて、マウス・ラットやサルによる薬効試験・薬物動態試験は避けて通ることはできないものです。浜松ホトニクスPETセンターでは実験の必要に応じて、マウスを遺伝子操作により病気の状態に似せた「トランスジェーニック・マウス」を用いたり、健康体のサルだけでなく「疾患モデル動物」を準備することが可能です。なお、PET装置そのものは実験に際して動物を殺す必要がありません。人類の幸福のための実験とは言え、可能な限り「いのち」を奪うことが無いということは、それだけで価値のあることといえるのではないでしょうか。

・委託・共同研究の場としての研究施設の提供
浜松ホトニクスPETセンターの最終的な目標は、生体機能の完全解明とそれに基づく疾患の克服にあります。脳をはじめ、生体機能には今だ解明されていない多くの謎があります。こうした謎を解明するためには、地道な基礎研究の積み重ねが必要です。現在「様々なテーマ」をもって日々の研究を行っています。各研究テーマごとにデータの蓄積および解析を行い、基礎データの取得を進めています。浜松ホトニクスPETセンターでは、多くの研究者にPET装置を有効利用していただくため、委託・共同研究の場としてPETセンターを提供しています。設立以来今日までに国内はもとより、欧米の研究者とも多くの委託・共同研究を行い、成果をあげてきました。





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